邪馬台国畿内説に対する素朴な疑問

このところのマスコミ報道を見ていると、邪馬台国は畿内説で決まり、みたいなムードを感じてしまいます。このあたりを少し見ていきたいと思います。
そもそもですが、邪馬台国畿内説は、古代から継続してあったわけではないようです。
江戸時代の儒医、国学者の松下見林(1637~1703)が著した「異称日本伝」のなかで、「今按ずるに、邪馬台国は大和国なり。古に大養徳国というは、いわゆる倭奴国なり。邪馬台は大和の和訓なり」と記し、「今按ずるに、邪馬台の壹はまさに台に作るべし」と断じてます。
ようするに「邪馬台国は大和国だから、邪馬壹国は、邪馬台国の誤りである。」と言っているわけです。ところが「なぜ邪馬台国は大和なのか」については、これ以上は述べていません。これでは論証とは言えません。

それはさておき、私は昔から邪馬台国畿内説には、違和感を感じていました。
理由としては、以下が挙げられます。

1.なぜ古事記、日本書紀の神話の舞台が、出雲や筑紫なのだろう?
古事記、日本書紀は奈良時代の役人の造作とされているようですが、それならなおさら畿内を中心とした神話を作ればいいわけです。なぜそうしなかったのでしょうか?

2.なぜ大和朝廷の出自を、九州としているのか?
1にも共通しますが、なぜ天孫降臨の地や、神武天皇東征の出発地を、九州の日向としているのでしょうか?普通に考えれば、畿内に天孫降臨し、その子孫が神武天皇としとけばいいわけです。なぜわざわざ九州にしたのでしょうか?

3.なぜ古事記、日本書紀に、邪馬台国が出てこないのか?
古事記、日本書紀に邪馬台国の名前は出てきません。当然、卑弥呼の名前もありません。作成者は、中国史書に名前が出ていることは知っていたはずです。
ではなぜ敢えて書かなかったのか?大和朝廷とは別物と考えるのが、自然でしょう。

4.漢の光武帝からもらった金印が、なぜ福岡市の志賀島から出土したのか?
有名な「漢委奴国」の金印は、福岡市志賀島から出土しました。発見の経緯に不明瞭な点はあるにせよ、朝廷にとり、国の威信を証明する宝物です。当然手元で厳重に保管されるはずです。また、少なくとも畿内から、それに匹敵するものは、出ていません。
「いや、金印は、奴国がもらったものだから、大和朝廷とは関係ない。」との反論に対しては、改めてお話しします。

志賀島の金印
King_of_Na_gold_seal.jpg 

5.銅鐸、銅矛の分布を、どのように説明するのか?
学生時代に有名な銅鐸、銅矛圏図を習いました。当時この図を見て、不思議に思ったものです。「銅鐸圏は、大和朝廷の前身としても、銅矛圏は一体何なのか?。巨大勢力があったということではないのか?」。
その後の遺跡調査などの結果、この分布図 は使われなくなったようですが、全体的な傾向はこのとおりでしょう。そして銅鐸圏は、3世紀に突然消滅してます。また古事記、日本書紀には銅鐸は一切出てきません。邪馬台国が古来より畿内にあったとすると、説明がつきません。

井上光貞著「日本の歴史Ⅰ 神話から歴史へ」より
銅鐸銅矛分布図2

6.畿内から、なぜ決め手となる出土物が出ないのか?
決め手となる出土物とは、三種の神器(剣、鏡、玉)です。また魏志倭人伝にも出てくるも、畿内からはほとんど出土していません。これから出る可能性が無いわけではありませんが、いまの状況では、?と言わざるを得ません。

三種の神器(吉武高木遺跡)
吉武高木遺跡

以上のとおり、邪馬台国畿内説は、そもそもの論拠があやふやな上に、パッと思いつくだけで多くの疑問があります。いろいろ理由は挙げられてますが、すっきり腹落ちしないのは、私だけでしょうか?
ではどこなのか、という問いに対しては、九州博多湾岸とするのが最も妥当と考えてますが、そのあたりを、次回からじっくりと見ていきましょう。

まずは、基本の基本ということで、魏志倭人伝からです。

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プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。

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