謎の国々は実在したか?(2) ~ 縄文灯台

前回は、「侏儒国」が、高知県足摺岬近辺にあった国であることを、お話しました。そして、足摺岬には、巨岩遺跡である「唐人駄馬(とうじんだば)遺跡」があることも、触れました。実は、「唐人駄馬遺跡」については、とても興味深い話があります。”縄文時代の灯台の役目を果たしていたのではないか”とする説です。キーワードは「黒潮」です。では、詳しくみていきましょう。

唐人駄馬遺跡





1993年(平成5年)~1995年(平成7年)にかけて、面白い調査実験が行われました。調査主体は、高知県土佐清水市教育委員会で、古田武彦氏統括のもとに、実施されました。

実験の目的は、「唐人駄馬の巨石が、海上の舟(ことに黒潮に乗じて北上してくる舟、人々にとり、一種の灯台の役目を果たしていたのではないか」との仮説を検証することでした。

日本列島の南側から北東方向にかけて黒潮(日本海流)が流れていますが、黒潮が北上してちょうど日本列島にぶつかる地点が、足摺岬です。流れが強いことで有名で、しばしば船が遭難する要因となります。ちなみに、江戸時代、漁業中に流され、アメリカ漁船に助けられたのちアメリカ本土へ行き、勉学に勤しみ、帰国後、明治維新の前後で大きな活躍をしたあのジョン(中浜)・万次郎も、ここ土佐清水の漁師でした。海に慣れているはずの漁師が流されるわけですから、海流の強さが、想像できます。

灯台の仕組みは、自然の石を利用して配石、研磨して、太陽や月の光線からの反射光線を、海上の舟から見えるようにする、というものです。

実験としては、海に舟を浮かべ、そこから唐人駄馬の巨石を見て、本当に反射光が目視できるかを確認しました。なお、本来であれば、光を反射するように巨石を研磨する必要がありますが、役所の許可を要するため、巨石に銀紙を貼ることで、代用しました(実際、石には、かつて黒潮や朝日に向って削平されたと見られる痕跡があります。)。

測定対象は
1.唐人岩
2.三列石(堂ケ森の鏡岩)
3.大岩
です。

さて、結果はどうだったでしょうか?

皆さん想像のとおり、舟から見事に反射光が確認されたのです。感動ものですね。

はたして、この結果は、”巨石がちょうどいい位置と角度にあって、太陽の光が反射して偶然うまい具合に舟から見えただけ”なのでしょうか?。事実、その後、さまざまな専門家から、「また古田某が、古代妄想を言い始めた」との批判の声が挙がりました。

しかしながら、
巨石の一部は、人為的に、移動されたことが確認されていること。
巨石は、光が反射するように、研磨された痕跡があること。
という歴然とした事実があります。

となると、古代人は何のために、このようなことをしたのでしょうか?。
何かの宗教的儀式のためでしょうか?
もちろん、それもあるでしょう。特に古代日本は、太陽信仰があったともされていますから。

<唐人駄馬遺跡>
唐人駄馬遺跡2 
唐人駄馬遺跡3 
                                                                                                                                               (高知県土佐清水市HPより)

確かに、単なる灯台の役割だけでなく、宗教的儀式に利用されたことは考えられます。

ここで、注目したいのは、ではこの巨大施設を作るのには、多くの人々が必要とされたであろうことです。

では、それはいつの時代の人々だったのでしょうか?

現地調査では、出土物としては、ほとんどが縄文土器や黒曜石(大分県姫島産)であることから、縄文人によって造られたと推測されます。それだけの、文明、技術力をもった人々が、この地域に住んでいたということです。注目は、大分県姫島産の黒曜石が、出土していることです。姫島は四国の対岸に当たるわけで、海を渡った地域との交流があったということです。当然、交流するには、舟が使われました。

また、唐人駄馬巨石には、その他、男女の性のシンボルの形をなす巨石群や、大ウミガメの形を造形した巨石群もあります。「こよみ石」と呼ばれる「太陽や月の出没」に対応したごとく見える配石もあります。さらに、世界最大級とも言われるストーン・サークルもあります。こうしたことを鑑みると、唐人駄馬遺跡は、当時の日本にあった縄文巨大文明のひとつであったと言えるでしょう。
その流れが、「侏儒国」に引き継がれたと考えられます。

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青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。

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