日本人は、どこからやってきたのか?(7) ~ 男性系統の移動ルート③(O系統)

今回は、Y染色体DNAのO系統をみていきましょう。

O系統は、K祖型から分岐したN系統とO系統との共通のNO祖型(NO*)から分岐しました。ユーラシア大陸東部に限定して分布するなど、地域的特異性が強い系統です。

前回、前々回のC系統、D系統と比べると、日本に入ってきたのは比較的新しく、金属器時代(弥生)時代以降に大陸から渡来してきたとみられます。

移動ルートとしては、まずO系統に分岐する前の祖先型(NO*)がアフリカを出て、中東あるいはインドを経て、南ルートで東南アジア方面へ移動してきたと推測されます。そしてO系統の発祥の地として、東アジア南部が想定されてます。時期としては、17500年前あるいは10700年前と推定されてます。そこから各方面へ移動を開始しますが、それが8100年前と推定されてます。

3つの系統に分かれたと考えられ、一つめは台湾、フィリピン、ジャワ方面へ移動したO1系統です。
二つめは、揚子江中下流域付近に北上したO2系統です。
三つめは、黄河上流域付近まで北上したO3系統です

二つ目のO2系統は、かつて華南の長江(揚子江)流域に繁栄した長江文明の担い手だったと考えられますが、さらにそこから二つに分かれます。
一つが、華南から東南アジアへ南下したとみられるO2a系統です。
もう一つが、北上して、朝鮮半島、そして日本列島にやってきたとみられるO2b系統です。ど

三つ目のO3系統の発祥地は、華南・東南アジアが有力です。早い時期に南から北へ移動したと考えられ、5000年前ほどから漢民族・中原勢力の膨張とともに、黄河上流域から今度は北から南へ移動したようです。

このように、時期が異なり相反するヒトの移動の流れ(O1,O2,O3系統)があり、たいへん複雑なものになってます。

下の図をご覧ください。

Y-O移動ルート<O系統分布図>  
Y染色体DNA-O
                                                       (Wikipediaより)
かつて揚子江中下流域にいたO2は、現在そこにはおらず、二つに分岐して
・O2a・・・華南、東南アジア
・O2b・・・朝鮮半島、日本
に、移動、集積しています。

これは、どういうことでしょうか?。

O2a,O2b系統とも、もとは長江文明の担い手だったと考られ、O3系統は黄河流域で繁栄した黄河文明の担い手であった漢民族と考えられます。そのO3系統である漢民族が南下して、揚子江中下流域にやってきたということにより、そこに長年住んでいたO2系統の人々と争いになったことでしょう。そして、O2系統の人々は、戦いに敗れ、生き残った人々は、みな他の地域に逃げて行ったことでしょう。

逃げて行った人々のうち、華南、東南アジア方面へ行った人々がO2a系統であり、朝鮮半島さらには日本列島方面へ行った人々がO2b系統です。時代は、金属器時代(弥生時代)のころと考えられます。

このO2b系統で日本列島にやってきた人々が、いわゆる「渡来系弥生人」であり、日本の社会を大きく変える勢力になるわけす。

以上のとおり、O系統の移動は、複雑かつダイナミックです。そして、中国、朝鮮半島、日本の社会にも大きな変革をもたらしました。実はこの移動の歴史を、中国、朝鮮、日本の古代史書と照らし合わせると、とても面白いことがわかるのですが、それは後でのお楽しみということにいたします。

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青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
2016年8月に出版しました。

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