日本人は、どこからやってきたのか?(13) ~ アイヌ民族は縄文人の末裔か?

さて、前回までで、日本人がアフリカから、いつ、どのようにやってきたのか、をお話ししてきました。ここからは、いくつか残された課題について、みていきます。

今回は、アイヌ民族です。


縄文人というと、何となく「アイヌ民族」のことを思い浮かべるのですが、「アイヌ民族」は、縄文人の末裔なのでしょうか?。それをみていきましょう。

<アイヌ民族>

アイヌ民族 
                                                        (Wikipediaより)

今までのデータと比較するため、現代アイヌ民族のY染色体DNAのデータを、他の地域の人々のものと比べます。

アイヌDNA比較

見てのとおり、アイヌ民族のY染色体DNAの88%はD2系統、残りの13%はC3系統であり、他の系統は検出されていないという、極めて特徴的な構成になってます。

ここで各系統を、文化的にまとめますと、

D2系統・・D系統が3万数千年前?に日本に入ってきて、3万年前?にD2系統が誕生。

      「中国華北→朝鮮半島→九州」

       縄文文化(漁労・雑穀農耕・定住型狩猟・採集)       

C3系統・・3万数千年前?に、日本に入ってきた。
      「シベリア→北海道」と「シベリアから→朝鮮半島→九州」

       北方系移動性狩猟採集文化(細石刃文化)

です。

これらから崎谷氏は、”アイヌ民族は、細石刃文化系C3系統が母体となり、その後本州から北上してきた縄文文化の担い手であるD2系統と出会い、シベリア系北方文化と、縄文系日本系文化という2つの文化の要素をもつようになった。その後も、北からの文化の流入が何度にもわたり、13世紀頃から再度北方シベリア系の要素が強いアイヌ文化が成立した。としてます。そして、

アイヌ文化は、縄文文化と同一視することはできない。アイヌ民族・アイヌ文化は、シベリア系北方文化の要素を強く保持し、日本列島中間部に固有の縄文文化の要素が加味されたものであることが想定される。”

としています。


Y染色体DNAからみると、アイヌ民族については、D2とC3であり、これは縄文人と似たようなものです。では、何が違うのでしょうか?


ここからは推測ですが、縄文人は、その他にもC1系統をもっていたはずであり、その文化をもっていたのではないか、と考えられます。ここで、

C1系統・・4万数千年前?に日本に入ってきた南方系。

       「台湾方面→沖縄→九州」あるいは「朝鮮半島→九州北部」

       南方系漁労文化(貝文文化)

です。

このC1系統は南方系であり、この文化はアイヌ文化に伝播しなかったのではないか?、というものです。これが、縄文人との差を生んだと推測されます。


さらに、もうひとつのアイヌ民族の特徴としては、弥生時代以降の大陸からやってきた人々であるO2b,O3系統が、全くないことです。これも、縄文人が、弥生時代以降の大陸からの渡来人を受け入れ、同化していったことからみれば、大きな差異です。このこともまた、アイヌ民族、文化を際立たせる要因の一つでしょう。


もっとも、縄文人とは異なると言っても、同じ時代に同じような地域を生きてきたわけで、基本的な思想などはさほど変わらないと思われます。すなわち、

・自然との共生

・神(カムイ)と人との近しさ

・超越的世界と地上世界とが共存する世界観

などは、縄文人も同じようにもっていたと考えられます。

「縄文文化」を究めるには、やはり「アイヌ文化」を究める必要があることは間違いないでしょう。

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青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。

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