新唐書日本伝を読む その4 ~ 白村江(はくすきのえ)の戦いが記載されていない理由とは?

天皇の系譜が続きます。教科書で習った大化の改新ころからです。
【現代訳】
永徽(えいき)年間(650-656年)の初め、日本国王の孝徳が即位し、改元して年号を白雉(はくち)(650-654年)に改めた折に、一斗枡ほどもある琥珀(こはく)と、五升入りの容器大の瑪瑙(めのう)とを唐に献上してきた。当時、新羅は高句麗と百済に侵されて損害を受けていた。そこで高宗(こうそう)は詔勅を下し、軍を発して新羅を救援させた。
【解説】
さて、ここで突然日本の年号が出てきます。「650年に、白雉(はくち)に改元した。」とあります。
日本の年号がいつ始まったのかについては、645年の大化改新の大化からとされています。ところが、この従来説には、白雉(650-654年)のあと次の朱鳥(しゅちょう)(686年)までの間に空白期間が30年以上もあるなど、説明のつかない点が多々あります。
また畿内における当時の木簡からも、使用が確認されていません。
そもそも日本は、はるか以前から中国との交流があり、年号の存在を知っていたわけです。それを考えると、もっと早い時期の年号があってしかるべしではないか?と考えておりました。

実は、年号にはもう一つ、もっと古い時代のものがあります。九州年号と呼ばれるものです。呼び名のとおり、九州王朝で使われていたとされます。
継体(517-521年)から始まり、大化(695-700年)で終わってます。そのなかに、大化のほか、白雉、朱鳥などもあります。
一般的には、後世の創作とされていますが、九州王朝があったのなら、むしろ年号がないほうがおかしいと思われますが、いかがでしょうか?。

【現代訳】
ほどなく、日本国では孝徳が死に、その子の天豊財(あめのとよたから)が位を継いだ。死んでその子の天智があとを継いだ。
翌年(662年)、日本の使者が蝦夷人(えぞひと)とともに唐に入朝してきた。蝦夷もやはり海中に住み、その使者はあごひげの長さが四尺ほどもあり、矢をつがえて引きしぼり、耳にはさんで構え、人にひょうたんを頭上にのせて数十歩離れたところに立たせて、そのひょうたんを射ると、百発百中であった。
【解説】
孝徳天皇が亡くなり、異母姉弟の天豊財(あめのとよたから、皇極天皇)が、重祚(再び天皇になること)します。天皇名としては、斉明天皇になります。
実は、斉明天皇は九州王朝の王の名前ではないかとの説を、古田武彦氏が提唱してますが、いずれお話ししたいと思います。

皇極、斉明天皇
Empress_Kogyoku-Saimei.jpg

さて663年、日本を揺るがす大事件が起こりました。白村江(はくすきのえ)の戦いです。日本・百済遺民連合軍と、唐・新羅連合軍が、朝鮮半島白村江で激突し、日本・百済遺民連合軍が、大敗します。
ところが、不思議なことに、その大事件がここには記載されていません。それどころか、前年の662年、蝦夷を連れて入朝し、蝦夷のパフォーマンスを見せるなど、とても戦の前の緊迫感はありません。これはどうしたことでしょうか?。唐にとっては、とるに足らないことだったのでしょうか?。
そんなはずはありません。実際、高句麗と百済に攻めらた新羅に援軍を送ったことは記載してます。まして白村江の戦いは、敵方です。当然勝利を自慢気に記載するはずです。

答えはシンプルです。白村江の戦いで唐・新羅連合軍が戦った相手は、日本ではなかったのです。

えっ、そんな、と思われた方も多いと思います。では、相手はどこだったのでしょうか?。

このブログを読まれている勘のいい方は、お分かりでしょう。そうです。戦った相手は、倭国すなわち九州王朝です。日本すなわち大和朝廷は、直接の当事国ではなかったというわけです。

実際、日本書紀を読むと、敗色濃厚にもかかわらず悲壮感は伝わってきません。また、敗戦後、唐は九州北部に進駐してきますが、そこから畿内には向かってません。戦いで勝ったのなら、当然のことながら、占領軍は国の都を目指し、進軍するでしょう。その記載は、ありません。
唐は、倭国に勝利し占領して目的を達したということです。

天智天皇(中大兄皇子)
Emperor_Tenji.jpg

それでは、大和朝廷は、なぜ占領されなかったのでしょうか?。倭国と共に戦ったのなら、占領されて当然でしょう。単なる傍観者だったのでしょうか?。そんなこともあり得ません。

ここからは推測になりますが、大和朝廷は裏で唐とつながっていた可能性はあります。そう解釈すると、大和朝廷に切迫感が感じられなかったのも、うなずけます。

そして白村江の戦いを機に、実権が倭国(九州王朝)から日本国(大和朝廷)に移っていくことになりますが、詳しくはいずれ・・・。

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青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。

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