邪馬台国位置比定の考古学的根拠とは?(10) ~ 三種の神器出土遺跡⑤(平原遺跡)

三種の神器出土遺跡の最後は、再び糸島市へ戻り、平原遺跡です。これまでの5つの遺跡のうち最も時代が新しく、弥生時代後期から晩期のものと推定されています。5つの墳丘墓があります。このブログでも取り上げている日本最大の大型内行花文鏡(直径46.5cm)が出土した遺跡です。

主な出土品
1号墓
・大型内行花文鏡5面、別称「内行花文八葉鏡」
・内行花文鏡 2面、方格規矩鏡 32面、四螭文鏡 1面
・メノウ製管玉12、ガラス製勾玉3、ガラス丸玉 約500、ガラス小玉 約500、ガラス管玉 約30、ガラス連玉 約900
 耳璫 3破片
・素環頭大刀 1

<大型内行花文鏡>
平原遺跡 内行花文鏡2 

<勾玉>
平原遺跡 勾玉

1号墓は副葬品の多くが勾玉や管玉、耳璫(耳飾り)などの装身具であり、武器類が少ないため、この墓に埋葬された人物は女性であると考えられており、この遺跡を発掘した 原田大六氏はこの平原1号墓の主を玉依ヒメ(神武天皇の母)であるいう説を提示していることは、以前お話しました。

1号墓の東南に直径約70センチメートルの縦穴が発見されてます。この縦穴を「前原市報告書」は大柱跡として、墓から見て東南の日向峠の方角に位置していることから、この大柱跡は太陽信仰に関係するものとの説を提示しています。

墓壙周辺の12本の柱穴の遺構について、原田大六氏は「銅鐸や弥生式土器などの絵画に見られる棟持柱を持つ切妻造の倉庫建築の柱の配置にこの柱跡の遺構が似ている」として、この墓壙周辺の12本の柱跡は「殯宮関係の建築物の遺構と考えられる」としています。

三雲遺跡に続いて、またしても「日向」との関連が出てきましたね。

ところで、三雲遺跡の東には、細石(さされいし)神社がありましたが、平原遺跡から北西の方向 kmの位置に、桜谷神社があります。現在は、若宮神社と呼ばれています。祭神は「苔牟須売神(コケムスメ)」と「木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)」の二柱です。
祭神の苔牟須売神とは地元ではコノハナサクヤヒメの姉である「盤長姫命(イワナガヒメ)」の事として伝承されています。

さてこれまで、細石神社の「さされいし」、井原遺跡の「いわら」、そしてここ桜谷神社の「こけむすめ」と出てきましたが、何か気づきましたでしょうか?

ここでピンときた方は、かなりの古代史通とお見受けいたします。

そうです。わたくしたち日本の国家「君が代」に、似たような歌詞がありませんでしょうか?
「君が代」の歌詞は、

君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いわおとなりて
こけのむすまで
です。

確かに、
「さざれ石」→「さざれいし」
「いわお」→「いわら」
「こけのむすまで」→「こけむすめ」
など、音が同じあるいはよく似ている言葉が続きますね。
さらに福岡市博多の海岸沿いには「千代」の地名が残ります。

古田氏は、君が代の発祥をここ博多湾岸とし、「君が代は九州王朝への讃歌だ」との説を発表して、古代史ファンの度肝を抜きました。そして、その根拠として、上に挙げた地名との一致を挙げています。

「地名との一致など、単なる偶然じゃないか」と思われる方が、多いと思います。わたくしも、初めてその説を聞いたときは、そう思いました。

しかし、必ずしもそうとばかりは言えないのです。

実は、「漢委奴国王」の金印が発見された志賀島にある志賀海神社で、古くから行われている「山誉め祭り」の神楽歌のなかに、「君が代」が出てくるのです。社伝によれば、神功皇后が三韓征伐へ向かう際に立ち寄った際、皇后にこの神楽を披露したとされています。

<山誉め祭り>
山誉め祭り
            (福岡市の文化財HPより)

YOUTUBEです。確かに「君が代」を歌ってますね。


神功皇后が実在かどうかは、議論が分かれますが、実在したとすると4世紀前半です。その頃には、「君が代」は存在したことになります。

そして
”元来「君が代」とは「千代」→「八千代(=千代の複数形=千代一帯)」→「細石神社」→「井原、岩羅」と古くは海岸近くの各所・村々を訪ねて糸島半島の「桜谷神社」に祀られている「苔牟須売神」へ「我が君」の長寿の祈願をする際の道中双六のような、当時の長寿祈願の遍路(四国遍路のような)の道筋のようなものを詠った民間信仰に根づいた詩ではないかと推定している。”(wikipediaより)
としています。
図示します。
君が代地名

また、”「君」とは、もともとは「女性の王」のことであり、「君が代」とは、「九州王朝の女王」のことを讃えた歌ではないか?”と指摘しています。九州王朝の女王と言えば、「卑弥呼」とその宗女「壹与」がいますね。

だいぶ話が広がり興味が尽きないところですが、今回はここまでとします。ここでは、博多~糸島一帯は神話に結びつく地名が非常に多い地域である、ということを、覚えておいてください。


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青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。

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