fc2ブログ

神話って誰がどうして作ったの?

皆さんは、日本の神話と聞いて、何を思い浮かべますか?
・大国主命(おおくにぬしのみこと)が、天照大神
 (あまてらすおおみかみ)に国を譲った「国譲り神話」
・天照大神(あまてらすおおみかみ)が、天の岩戸に
 隠れた「天の岩戸伝説」
・各地の部族を征伐し、日本統一に貢献した日本武尊
 (やまとたけるのみこと)の武勇伝

を思い浮かべるかたも多いでしょう。

<国譲り神話絵図>
国譲り神話

これらは、すべて、昔の人が想像力に任せて作った作り話なのでしょうか?
私も長らくそう思っていましたし、古代に日本の歴史を記した古事記、日本書紀などの書物なども、当時の役人が作った作り話、と言われているようです。

では、神話は、なぜ作られたのでしょうか?

「昔は、娯楽も少なかったから、人を楽しませるために作ったのだろう。」
私は、単純にその程度の認識でした。

もちろんそうしたものもあったでしょうが、あるとき古田武彦氏の「盗まれた神話」を読んで、衝撃をうけました。
それは、「神話には、深い意図がある。」というものです。

それは、言われてみれば、なるほどと合点がいくものでした。

文字がない、少なくとも一般庶民に文字が浸透していない時代を想像してください。
そういう時代は、すべての情報は、話を通じて人の口から人に伝わったでしょう。
何かあれば、
「あそこでこういう事件が起こったそうだ。」「あの人は、これこれこういう人らしい。」という噂が広がり、やがて既成事実のように定着していったに違いありません。

さて、そうした状況は、時の権力者にとってどうでしょうか。もちろん自分たちにとって都合のいい情報が流れてくれればいいですが、そうならないのが、情報のこわいところです。
たとえば、自分たちの祖先が、クーデターをおこして、権力を奪取した場合、当然その噂が広まり、
「いまの王様は、本来の王様ではないそうだぞ。」
みたいな、話になり、権力者にとって、よろしくない状況になるわけです。

そこで当然自分たちにとって、有利な情報を流し、権力の維持・拡大を図ろうとするでしょう。
そこで
「今の王様は、これこれこういうわけで、正当に王様になられたのだ。」
のような神話をつくり、人々に広めていったというのです。

もちろんいつもこうしたことというわけでなく、正しく歴史を伝えたい、人民教育をして、よりよい世の中をつくりたい、
といった目的もあったでしょう。

以上をまとめると、神話のつくられた目的には
権力者が
1.自らの正当性を示す。
2.歴史を伝える。
3.人民教育をする。
を通じ、世の中の安定を図る。

というのが、あったと考えます。
(もちろん一般庶民が「人を楽しませるために作った」というのもあるでしょう。)

そういう眼でみると、なるほどと、思い当たるフシがある方も多いと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
↓クリックお願いします。皆さんの応援が、励みになります。




にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村




















スポンサーサイト



テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

古事記

現存する古事記の写本は室町時代に書かれたモノ、序文は後から付けて成立年代をまやかし操作、内容そのものもひょっとしたら偽物ではないか?という疑惑が江戸時代からありました。
https://woman.mynavi.jp/article/130614-030/
たとえ創作ではないとしても、古い紙質の時代に元本発行から600年間に何十回も写本しなければならず、日本語自体もその間に相当変化してるから、誤植・誤訳は避けて通れない。

Re: 古事記

> 現存する古事記の写本は室町時代に書かれたモノ、序文は後から付けて成立年代をまやかし操作、内容そのものもひょっとしたら偽物ではないか?という疑惑が江戸時代からありました。
> https://woman.mynavi.jp/article/130614-030/
> たとえ創作ではないとしても、古い紙質の時代に元本発行から600年間に何十回も写本しなければならず、日本語自体もその間に相当変化してるから、誤植・誤訳は避けて通れない。

その可能性は考慮すべきでしょうね。
プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。



最新記事
最新コメント
読者登録
メールで更新情報をお知らせしますので、こちらに登録ください。
メルマガ購読・解除
図とデータで解き明かす日本古代史の謎
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ
月別アーカイブ
カテゴリ
おすすめ
twitter
amazon business
おすすめの本
ブロとも一覧

アアト日曜画家

魏志倭人伝その他諸々をひもといて卑弥呼の都へたどりつこう

☆☆ まり姫のあれこれ見聞録 ☆☆&

中国通史で辿る名言・故事探訪

幕末多摩・ひがしやまと

客船の旅

黒田裕樹の歴史講座

しばやんの日々

Paradise of the Wild bird…野鳥の楽園…
更新通知登録ボタン

更新通知で新しい記事をいち早くお届けします

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR