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宗像神を祭る神社の(6)~古代における宗像神の位置と現在の比較

前回、現在の神社を、信仰されている系統別に整理しました。
1位が八幡信仰、2位が伊勢信仰、3位が天神信仰でした。そして多くの神社において、さまざまな神様が習合されていることも、お話しました。

では、古代においては、どのような神様が信仰されていたのでしょうか。今回はそれをみていきます。

表7は、延喜式神名帳から、社名が同一であるか、同一と判断される社の数を集計したものです。


延喜式内社数  

1位が、2位が兵主、3位がミワ系、4位が物部系と続き、6位に宗像系が入ってます。
さらに7位にわたつみ系、9位にオオナムチ系と、神話でおなじみの名前が入ってます。

これらの系統が現在どうなっているか、をみてみましょう。

これは前回示した表8をみると、はっきりします。たとえば、表7において1位の鴨系統が、表8においてかろうじて26位に入っているにすぎません。2位の兵系統、3位のミワ系統などは、表8には入ってません。

このことからわかることは、古代に広まっていた社名は、現代では目立たなくなっている、ということです。


現代信仰社数 
 

では古代において流行していた神々に対する信仰は、現在までに消えてしまったのでしょうか?

下の表は同じ表8の右側です。現在の神社における祭神別に整理したものです。1位が八幡神、2位がアマテラス、3位がスサノオとなっており、6位のイザナギ・イザナミ神、7位のオオヤマツミと続きます。

表8左側の社名で検索したものと比べると、かなりよく対応してるのがわかります。ここから矢田氏は
”現在の神社の社名の多くは、中世以降の流行神に基づいていることがわかる。”
としてます。

はたしてそこまで言い切れるのか、とも思われますが、それはそれとしておきます。

ここで注目は、オオナムチ・大国主命です。

8位に入っていますね。ところが表8の左(現代の社名数)でみると、26位にも入ってません。つまり現代では、オオナムチ・大国主信仰は、大きな勢力となっていない、ということです。

一方、表7(延喜式内社)では、9位です。さらに表7の2位の兵主、3位のミワ系、9位のオオナムチ系の神社の現在の祭神には、その多くにオオナムチ・大国主命が祭られているということで、そこから、
”神話の時代にヤマト勢力に屈した出雲勢力であるが、古代にはその神を祭る神社が有力であったのである。”
と結論づけてます。

これは感覚的にも、納得できますね。


現代祭神数  

では宗像神はどうでしょう。

、”表7で上位(6位)にある宗像神は、中世以降の流行神を除くと、オオナムチ・大国主命に次ぐ数の神社に祭られている。八幡信仰社と厳島信仰社にも祭られているが、前者は573社、後者は571社でそれぞれその一部に止まる。宗像神の多くが、古代以前から祭られていたことが示唆される。”

少しわかりにくいですが解説します。
宗像神は、延喜式内社の数では6位です。つまり延喜式神名帳策定時(10世紀頃)においては、宗像神は広く信仰されていたことは確実です。
一方、現代においては、表8の左側の信仰社名では26位にも入っていません。では宗像神は無くなってしまったのかというとそうではなく、表8の右側の祭神でみると、オオナムチの8位についで、11位に入ってます。
このことから宗像神は、古代においては広く信仰されていたが、次第に中世以降の流行神に習合され、信仰社名としては消えていった。習合されても祭神としては残るため、現代でも祭神では11位という多さである、ということです。
なるほど、といった推論です。

”以上から、全国の神社には古代以前から祭られてきた祭神がかなりの比率で残っていること、そしてその解析により古代以前の信仰の姿が浮かび上がってくることがわかる。有名社の由緒の研究や、現存神社の社名分布などからは、このことは見えてこないのである。”

まとめです。まさしくそのとおりです。特に最後の、
”有名社の由緒の研究や、現存神社の社名分布などからは、このことは見えてこないのである。”という指摘は重要です。
各神社には、多くの由緒が伝わっており、たいへん貴重でありかつ参考になるわけですが、後年になって作られた話である可能性もあるわけです。鵜呑みにすることなく、さまざまなデータから、総合的に推測していかなくてはいけないと考えます。

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テーマ : 歴史
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プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。

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