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日本神話の源流(4)~ 遺伝子学との整合

新年あけましておめでとうございます。
本年も全力で発信していきますので、よろしくお願いいたします。

前回、吉田敦彦氏の著書を元に、日本神話がどこから伝わったのかを、5つの時代に分けて整理しました。

1.母系的・秘密結社的・芋栽培=狩猟民文化
2.母系的・陸稲栽培=狩猟民文化
3.父系的・「ハラ」氏族的・畑作=狩猟民文化
4.男性的・年齢階梯的・水稲栽培=漁労民文化
5.父権的・「ウジ」氏族的・支配者文化

わかりやすく図示すると、以下のようになります。

文化伝搬ルート 
ここでこの図を見て、どこかで似たような図があったな、と思われた方は、拙ブログや拙著を熱心に読まれている方と推察します。

そうです。日本人の祖先が、いつどのようなルートで日本列島にやってきたのか、以前お話しした際に示した図と、よく似ているのです。
詳しくは
日本人は、どこからやってきたのか?(9) ~ 4つの段階別に整理すると・・

を参照ください。

その図について、改めて説明します。

近年の遺伝子学の目覚ましい進歩により、はるか昔から人類がどのように移動してきたのか、が推測できるようになりました。

具体的には、男性だけがもつY染色体というものがあり、それが長い時代の間で突然変異を起こし、独自の型(ハプログループと呼びます)が生まれす。そのハプログループの各型が、どの時代にどこに分布したのかを追いかけることにより人の移動が推測できる、というものです。
女性の場合は、同様にしてミトコンドリアDNAを解析することで可能になりました。さらに最近では、男女にかかわらずに、核DNAの解析でも推測できるようになりました。

3つの手法のうち、男性の移動を示すY染色体によるものがわかりやすいので、拙ブログや拙著でも紹介した次第です。

日本人の祖先が日本列島にやってきた時代を、大きく分けて4つに分けました。それぞれを図示します。なお拙ブログおよび拙著で示したハプログループの名称は、その後ISOGG系統樹が改訂されました。下の図は、現時点で最新の表記になってますので、ご注意ください。

渡来ルート1  
渡来ルート2 

 



渡来ルート3

渡来ルート4

4つの図を、冒頭示した図と比べてみてください。

まず吉田氏による1の「母系的・秘密結社的・芋栽培=狩猟民文化」は、タロ芋栽培などの低農耕、狩猟採集文化で、南方から伝わったとしてますが、それが上の図1のC1あたります。貝文文化の伝播者の移動ルートです。

2の「母系的・陸稲栽培=狩猟民文化」は、陸稲・雑穀栽培文化で、東南アジアの高地帯から伝わったとしてますが、上の図2のD1にあたります。縄文人の主体なす人々で、現代日本人で最も多い型です。朝鮮半島経由とされてますが、南方説もあります。

3の「父系的・「ハラ」氏族的・畑作=狩猟民文化」は、アワ・キビなどの畑作文化で、中国北方の満州・朝鮮半島から伝わったとしてますが、上の図1のC2にあたります。弥生北方要素の人々です。

4の「男性的・年齢階梯的・水稲栽培=漁労民文化」は、水稲稲作文化で、揚子江河口以南より伝わったとしてますが、上の図3の、O1bにあたります。渡来系弥生人の主体で弥生南方要素の人々です。現代日本人では、D1についで2番目に多い方です。


5の「父権的・「ウジ」氏族的・支配者文化」は、騎馬遊牧民文化で、満州南部から朝鮮半島を経て伝わった、としてます。上の図のO2b にあたります。漢民族系の人々で、現代日本人では、D1,O1bについで3番目に多い型です。

他にもハプログループQやNもありますが、よくわかっていない面もあるので割愛します。

時代や流入経路に違いはみられるますが、そもそも遺伝子学による推測にもさまざまな説があり、確定してません。また女性のルートは、男性のルートと異なると推測されてます。それらを踏まえると、岡氏の説によるものと概括的には同じである、といっていいでしょう。

岡氏は、今から半世紀ほど前に、神話・文化・考古学などから導き出したわけですが、それらが最新の遺伝子学による推測とほぼ同じ方向である、ということは驚くべきことです。ここに敬意を表したいと思います。

↓ 新著です。よろしくお願い申し上げます!!




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テーマ : 歴史
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プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。



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