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日本神話の源流(18)~スキュタイとの比較

岡正雄氏によれば、
”朝鮮半島を経由して、わが国にまで伝搬したと考えられるユーラシアのステップ地帯のアルタイ系騎馬遊牧民の文化に起源をもつ神話素が、日本神話の中で、かなり重要な部分を構成している”(同書P153)
としてます。

”アルタイ系民族の騎馬遊牧文化は、そもそもこの地域において、最初に騎馬民族の技術を開発し、典型的な騎馬民族文化を成立させた、いわゆるスキュタイ人によって代表される、イラン系遊牧民の文化の圧倒的影響下に成立した。”(同書P154)

ここでスキュタイとは
”ユーラシアでは紀元前9世紀〜紀元後4世紀にかけて、中央アジアのソグディアナでは紀元後12世紀までの活動の記録が見えるイラン系遊牧騎馬民族および遊牧国家である。”

スキュタイの起源について、古代ギリシアの歴史家ヘロドトスによれば
”スキタイはもともとアジアの遊牧民であったが、マッサゲタイに攻め悩まされた結果、アラクセス河を渡り、当時のキンメリア地方に移ったという。当時のキンメリア(キンメリオイの地)は現在(ヘロドトス当時)のスキュティア(スキタイの地)とされているので、この時キンメリアはスキタイによって奪われ、スキュティアと呼ばれることとなった。”(以上Wikipeiaより)

スキタイ騎兵


つまり、スキタイは東方から、すなわち中央アジアのステップ地帯からやってきた可能性があることになります。

吉田氏によれば、
”スキュタイ人によって代表されるイラン系遊牧民は、インドヨーロッパ語族の一派であり、他のインドヨーロッパ語族が、アジアからヨーロッパにまたがる広大な農耕地域の各処に分かれて移住し、定住生活に入った後にも、なおインドヨーロッパ語族の発祥地に留まり、馬匹飼育遊牧民文化の伝統を維持していた種族である。”

”歴史時代においてもなお、ギリシアをはじめ、インド、イラン、ゲルマン、ケルトなどのインドヨーロッパ語系諸民族と、種々の形で接触や交渉を持っていた。”

”スキュタイ人とギリシア人のあいだには、ことに黒海の沿岸に建設され、スキュティアとの交易によって繁栄したギリシア植民都市を媒介として、さかんな通商と文物の交流が行われた。”

”これらのことを念頭におけば、先史時代のわが国まで、ギリシアをはじめとするインドヨーロッパ語系諸民族の神話と共通する要素を含んだ、イラン系遊牧民の神話の影響が及んだと考えるのも、けっして不可能ではなかろう”(同書P155)。

と述べてます。

前千年紀文化伝搬


上の図をみると、広いユーラシア大陸ですが、中央アジアステップ地帯を中心として、西は(図の外になりますが)ギリシアから、東は中国、朝鮮半島、そして日本列島までつながっており、文化も伝播したことが想像できます。

具体的にみていきます。

ヘロトドスの「歴史」第四巻からです

”スキュタイ人は彼らの民族と王家とが、天神と水の女神の結婚によって発祥したものと言い伝えられていた。またスキュタイの最有力の王家には、ヘロドトスの時代にもなお、王家の始祖のコラクサイスのために、王権のしるしとして天より降下したと信じられた三点の聖器が伝承され、歴代の王によって神のごとくに崇められ、大切に取り扱われていた。”(同書P159)

”日本の天皇家も神話にとれば、天より降臨したニニギの子の天神ホオリと、海神の娘の水女神とよばれるトヨタマヒメとの結婚から発祥したとされており、またその始祖に委ねられたこの国土にに対する統治権のしるしとして、天から降下したと言い伝えられた三点の神聖な宝器を、神のように敬いながら保有してきたことを想起させる。”(同書P160)

スキュタイ人も古代日本人も、天神と水の女神から始まり、また三種の神器を崇めていることがわかります。

スキュタイ人の三点の聖器とは、杯・斧・耕具で、それぞれ宗教(=王権)・軍事・食料生産の象徴です。
一方、日本神話の三点の神聖な宝器とは、鏡・剣・玉といういわゆる「三種の神器」で、同様の象徴である、としてます。

下表は、三種の神器と三点の聖器を比較したものです。

スキュタイ・日本三種の神器
このようにきれいな対比ができるのですが、これをすんなりと受け入れていいのか、という疑問もあります。この課題は、のちほどあらためて取り上げます。

↓ 新著です。よろしくお願い申し上げます!!




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プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。



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