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日本神話の源流(34)~日本神話の多くはゴンドワナ型神話?

 前回は、日本神話にみられるゴンドワナ型神話という話でした。

具体的には、
a.人間が動物界の一員だった頃
b.山の神とアニマル・マスター
c.洪水神話
d.死の起源(バナナ型神話)
d-2.脱皮型死の起源の神話
e.土中誕生
e-2 ヴェジタリズム
e-3.粘土から造られた人間

です。

これに海幸彦・山幸彦神話(釣針喪失譚)が加わります。

さらにオオゲツヒメ神話(ハイヌウェレ型神話)も、もともとは芋栽培にかかわる話であり、ゴンドワナ型神話ではないか、という話はすでにしました。
日本神話の源流(7)~神の殺害と農耕の起源 オオゲツヒメ神話とハイヌウェレ神話

これらをもとに、古事記・日本書紀神話のなかの、どの話がゴンドワナ型神話であり、どの話が新しいローラシア型神話なのか、をみていきます。

下の表は、吉田氏の「日本神話の源流」をもとに前に整理した表ですが、それを色分けしてます。
・オレンジ色がゴンドワナ型神話
・無色がローラシア型神話
と推測される神話です。

 
  日本神話とゴンドワナ・ローラシア型神話

ひとつづつみていきましょう。

国生み神話について、後藤氏は詳述してませんが、南洋に多く分布すること、またイザナギ・イザナミの国生み神話を、「原初大海型」の洪水神話として、ゴンドワナ型神話としてることから、ゴンドワナ型神話としました。

神の殺害と農業起源は、オオゲツヒメ神話(ハイヌウェレ型神話)で、ゴンドワナ型神話としました。

日向神話のうち、コノハナサクヤヒメの説話は、天孫降臨後のニニギノミコトとの結婚話なので天孫降臨神話に入れるべきものですが、吉田氏の「日本神話の源流」では日向神話に入れてあるので、それに従いました。バナナ型神話なので、ゴンドワナ型神話です。

同じく日向神話の「失われた釣針」は、釣針喪失譚です。
この話のうち、「竜女、水神の娘との結婚」は南洋にない話であり、ローラシア型神話としました。ただしここで留意すべき点があります。吉田氏は、中央アジアステップ地帯にいたスキュタイやオセット人の「水神の娘との結婚」というモチーフが、中国の「竜女との結婚」と関連しており、したがって「中央アジア→中国→朝鮮→日本」という伝播を推測してます。

しかしながら、中国においては、東北地方において最古ともされる「遼河文明」が、竜を信仰していたことで知られてますが、紀元前6200年前にはじまってます。
スキュタイは紀元前9世紀から、オセット人はそれより新しい時代です。
鉄器の東方への伝播という観点からみても、ヒッタイトは紀元前1500年ころです。さらにさかのぼって青銅器の東方への伝播という観点から「セイマトルビノ文化圏」のアンドロノヴォ文化が伝わったとする説もありますが、紀元前2000年ころからです。
つまり圧倒的に中国文明が古いということになります。

そうなると逆に「中国→中央アジアステップ地帯」へという可能性もあります。これは前回お話した、釣針喪失譚が東アジアから西へ伝わり、英国にまで伝わった可能性の話と一致してます。
さらに遼河文明の人々は、気候の寒冷化等のために、南下あるいは西へ移動したことが、遺伝子学の見地から確実視されてます。
このようにみてくると、単純にローラシア型神話ということもいえなくなります。

次の黄泉の国訪問は南洋に分布していることもあり、ゴンドワナ型神話としてますが、もう一つ挙げます。
”イザナミに追われたイザナギが、鬘(かずら)や櫛(くし)を投げるとそれらがタケノコとなって追っ手を追わせる”という話がありますが、”「何かが障害物に変身する」というモチーフは、「呪的逃亡」といって、アフリカから北米大陸に至るまで世界各地で見られる。”(後藤同書P7)ことから、ゴンドワナ型神話としました。

あとの天の岩戸神話天孫降臨神話は、ローラシア型神話としました。
ただしアマテラスの岩戸隠れは、「天体開放」という解釈でとらえると、北欧のほかアイヌ民族からシベリアや北アメリカに広く見出せる話と類似してます(後藤同書P231)
アマテラスの天の岩戸神話が日本列島に伝わったのは、鉄器・青銅器伝播の時代でしょうから、紀元前10世紀よりは新しいでしょう。一方、北アメリカに伝播した時期がわかりませんが、ゴンドワナ型神話が伝播した時期(2万年前)にまでさかのぼる可能性もあり、そうなるとゴンドワナ型神話ということになります。

以上のようにみてくると、日本神話の多くは、ゴンドワナ型神話である可能性がある、ということがわかります。

↓ 新著です。よろしくお願い申し上げます!!




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プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。



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