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古事記・日本書紀のなかの史実 (3)~記紀の内容が異なる理由とは?

今回から、いよいよ古事記・日本書紀の解明に入ります。

まず皆さんに質問です。

古事記と日本書紀の違いは何でしょうか?
わかっているようで、よくわからないですね。

そもそも日本の歴史を記録として残すのに、なぜ二つの史書を残す必要があったのでしょうか?

ではあらためてみてみましょう。まずは、古事記・日本書紀のの概略です。

【古事記】
日本現存最古の歴史書,文学書。3巻。序 (上表文) によれば,天武天皇の命によって稗田阿礼 (ひえだのあれ) が「誦 (しょう) 習」していた『帝紀』『旧辞』を,元明天皇の命によって太安麻呂 (おおのやすまろ) が「撰録」し和銅5 (712) 年献上したものである。しかし,「誦習」「撰録」の具体的内容については諸家の説が分れ,また序を疑う説,ひいては『古事記』そのものを偽書とする説もあるが,上代特殊仮名づかいの存在により和銅頃の成立であることは確実。天地の始りから推古天皇の時代までの皇室を中心とする歴史を記すが,実質的には神話,伝説,歌謡,系譜が中心で,そのため史料としてはそのまま用いがたい面が多いが,逆に文学書としては興味深い存在といえる。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

【日本書紀】
奈良時代の歴史書。六国史の一つ。 30巻 (『続日本紀』に系図1巻を付すとあるが現存しない) 。舎人親王らの編。養老4 (720) 年成立。巻1,2は神代,巻3~30は神武天皇から持統天皇までを編年体で記述。ほぼ同時代の『古事記』と合せて「記紀」と称される。各時代の記事は『古事記』よりも詳細で,異説,異伝を載せ編纂態度も合理的,客観的であり,史書としてはるかに整っている。神代巻や古い時代の巻は多量の神話,伝説を含み,また歌謡 128首をもつ点など,上代文学史上においても貴重な作品である。『国史大系』『古典大系』などに所収。(同上)

表でまとめました。

古事記・日本書紀の違い  

おおまかにいうと、”古事記は日本書紀より少し先にできあがった。国内向けに天皇家の正当性を誇示するために作られたものである。日本書紀は、とくに中国王朝に対してのものであり、典拠とする資料も多く、初の正史であった。”
となります。

なお古事記成立については諸説あり、日本書紀よりあとの時代に編纂されたとの説のほか、偽書説もあります。また日本書紀が正史とされたのに対して、長らく主役ではありませんでした。

”朝廷では平安時代、『日本書紀』について大学寮の学者が公卿に解説する日本紀講筵(日本紀講、講書)が行われ、『古事記』は参考文献として使われた。
鎌倉時代には、朝廷でも披見できる人が少ない秘本扱いで、特に中巻は近衛家伝来の書を収めた鴨院御文庫にしかないと言われていた。そうした中、弘長3年(1263年)に右近衛大将藤原通雅が「不慮」に中巻を手に入れた。・・・これが、伊勢神宮と密接な関わりがあった真福寺に伝わる『古事記』最古の写本の元になったと推測される。(Wikipediaより)

このように平安時代には、あくまで日本書紀の参考文献であり、鎌倉時代には、まったく世の中に流布していなかったわけです。いかにも「日陰もの」の扱いですね。

ではなぜこのようなことになったのでしょうか?。

日本書紀との内容が大きく異なる点も多いことから、考えられることは、時の権力者が、古事記の内容を世間に知られたくなかったから、その存在を秘密にしたのではないか、というものが考えられます。ようは「存在してはいけない史書」だったということです。

実際、これから取り上げますが、たとえば有名なヤマトタケルについての記載は、古事記と日本書紀では、大きく異なってます。
日本書紀では、日本統一に貢献した英雄として描かれてます。ところが古事記では、兄を殺した気性の荒い弟で、そのために父の景行天皇から恐れられ西征を命じられるという設定です。

また第25代の武烈天皇についても、古事記ではさらりと系統などを記載している程度ですが、日本書紀では暴虐の限りを尽くした極悪人として描かれてます。

なぜこのような違いがあるのでしょうか。

ひとつの推測として、古事記は「帝紀」「旧辞」などを素直に伝えた一方、日本書紀は正史としての役割があったため、より天皇家の正当性を強調する必要があったから、都合のいい箇所を中心として集めさらに加筆修正されたのではないか、というものがあります。

このあたりはこれだけで膨大な量になってしまうので、以上にとどめます。

↓ 新著です。よろしくお願い申し上げます!!




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プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。



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