古事記・日本書紀のなかの史実 (23)~神生み⑧ カグツチから生まれた神々
前回は、カグツチを斬り殺した十拳剣剣に付着した血からまた神々が生まれたという話まででした。
a.十拳剣の先端からの血が岩石に落ちて生成された神々
・石拆神(イハサクノカミ)
・根拆神(ネサクノカミ)
・石筒之男神(イハツツノヲノカミ)
b.十拳剣の刀身の根本からの血が岩石に落ちて生成された神々
・甕速日神(ミカハヤヒノカミ)
・樋速日神(ヒハヤヒノカミ)
・建御雷之男神(タケミカヅチノヲノカミ)
c.十拳剣の柄からの血より生成された神々である。
・闇淤加美神(クラオカミノカミ)
・闇御津羽神(クラミツハノカミ)

最後のクラオカミは、高龗(タカオカミ)神で、貴船神社(京都市)の祭神として、よく知られています。
”『古事記』においては、淤迦美(オカミ)神の娘に日河比売(ヒカハヒメ)がおり、須佐之男(スサノオ)命の孫の布波能母遅久奴須奴神(ふはのもぢくぬすぬのかみ)と日河比売との間に深淵之水夜礼花神(フカフチノミズヤレハナノカミ)が生まれ、この神の3世孫が大国主神であるとしている。 また、大国主の4世孫の甕主日子(ミカヌシヒコ)神は淤加美神の娘比那良志毘売(ヒナラシビメ)を娶り、多比理岐志麻流美(タキリキシマルミ)神をもうけている。
龗(おかみ)は龍の古語であり、龍は水や雨を司る神として信仰されていた。
「闇」は谷間を、「高」は山の上を指す言葉である。”
例によって、系譜がたいへん複雑です。以前のオオヤマツミ系統図にプラスしました。

この系譜からわかるとおり、オカミが二回出てきます。世代も大きく離れてることから、伝承の混雑か別神と考えられます。
さて、殺されたカグツチの体からも神々が生まれます。
正鹿山津見神(マサカヤマツミ、迦具土神の頭から生まれる)
淤縢山津見神(オドヤマツミ、迦具土神の胸から生まれる)
奥山津見神(オクヤマツミ、迦具土神の腹から生まれる)
闇山津見神(クラヤマツミ、迦具土神の性器から生まれる)
志藝山津見神(シギヤマツミ、迦具土神の左手から生まれる)
羽山津見神(ハヤマツミ、迦具土神の右手から生まれる)
原山津見神(ハラヤマツミ、迦具土神の左足から生まれる)
戸山津見神(トヤマツミ、迦具土神の右足から生まれる)
殺された体の各部位から、次々と生まれてくるという話ですが、何かの話に似ていませんか?
そうです、前にお話したオオゲツヒメの話によく似ていますね。
”高天原を追放された須佐之男(スサノオ)命は、空腹を覚えて大気都比売(オオゲツヒメ)神に食物を求め、オオゲツヒメはおもむろに様々な食物を須佐之男命に与えた。それを不審に思ったスサノオが食事の用意をするオオゲツヒメの様子を覗いてみると、オオゲツヒメは鼻や口、尻から食材を取り出し、それを調理していた。スサノオは、そんな汚い物を食べさせていたのかと怒り、オオゲツヒメを斬り殺してしまった。すると、オオゲツヒメの頭から蚕が生まれ、目から稲が生まれ、耳から粟が生まれ、鼻から小豆が生まれ、陰部から麦が生まれ、尻から大豆が生まれた。”
ハイヌウェレ型神話と呼ばれ、穀物・養蚕の起源を語るものとされてます。
詳しくは
古事記・日本書紀のなかの史実 (19)~神生み④ オオゲツヒメ
を参照ください。
カグツチから生まれたのは穀物ではなく神々ですが、発想は同じですから、どちらかの話がヒントになって作られた可能性があります。
↓ 新著です。よろしくお願い申し上げます!!
a.十拳剣の先端からの血が岩石に落ちて生成された神々
・石拆神(イハサクノカミ)
・根拆神(ネサクノカミ)
・石筒之男神(イハツツノヲノカミ)
b.十拳剣の刀身の根本からの血が岩石に落ちて生成された神々
・甕速日神(ミカハヤヒノカミ)
・樋速日神(ヒハヤヒノカミ)
・建御雷之男神(タケミカヅチノヲノカミ)
c.十拳剣の柄からの血より生成された神々である。
・闇淤加美神(クラオカミノカミ)
・闇御津羽神(クラミツハノカミ)

最後のクラオカミは、高龗(タカオカミ)神で、貴船神社(京都市)の祭神として、よく知られています。
”『古事記』においては、淤迦美(オカミ)神の娘に日河比売(ヒカハヒメ)がおり、須佐之男(スサノオ)命の孫の布波能母遅久奴須奴神(ふはのもぢくぬすぬのかみ)と日河比売との間に深淵之水夜礼花神(フカフチノミズヤレハナノカミ)が生まれ、この神の3世孫が大国主神であるとしている。 また、大国主の4世孫の甕主日子(ミカヌシヒコ)神は淤加美神の娘比那良志毘売(ヒナラシビメ)を娶り、多比理岐志麻流美(タキリキシマルミ)神をもうけている。
龗(おかみ)は龍の古語であり、龍は水や雨を司る神として信仰されていた。
「闇」は谷間を、「高」は山の上を指す言葉である。”
例によって、系譜がたいへん複雑です。以前のオオヤマツミ系統図にプラスしました。

この系譜からわかるとおり、オカミが二回出てきます。世代も大きく離れてることから、伝承の混雑か別神と考えられます。
さて、殺されたカグツチの体からも神々が生まれます。
正鹿山津見神(マサカヤマツミ、迦具土神の頭から生まれる)
淤縢山津見神(オドヤマツミ、迦具土神の胸から生まれる)
奥山津見神(オクヤマツミ、迦具土神の腹から生まれる)
闇山津見神(クラヤマツミ、迦具土神の性器から生まれる)
志藝山津見神(シギヤマツミ、迦具土神の左手から生まれる)
羽山津見神(ハヤマツミ、迦具土神の右手から生まれる)
原山津見神(ハラヤマツミ、迦具土神の左足から生まれる)
戸山津見神(トヤマツミ、迦具土神の右足から生まれる)
殺された体の各部位から、次々と生まれてくるという話ですが、何かの話に似ていませんか?
そうです、前にお話したオオゲツヒメの話によく似ていますね。
”高天原を追放された須佐之男(スサノオ)命は、空腹を覚えて大気都比売(オオゲツヒメ)神に食物を求め、オオゲツヒメはおもむろに様々な食物を須佐之男命に与えた。それを不審に思ったスサノオが食事の用意をするオオゲツヒメの様子を覗いてみると、オオゲツヒメは鼻や口、尻から食材を取り出し、それを調理していた。スサノオは、そんな汚い物を食べさせていたのかと怒り、オオゲツヒメを斬り殺してしまった。すると、オオゲツヒメの頭から蚕が生まれ、目から稲が生まれ、耳から粟が生まれ、鼻から小豆が生まれ、陰部から麦が生まれ、尻から大豆が生まれた。”
ハイヌウェレ型神話と呼ばれ、穀物・養蚕の起源を語るものとされてます。
詳しくは
古事記・日本書紀のなかの史実 (19)~神生み④ オオゲツヒメ
を参照ください。
カグツチから生まれたのは穀物ではなく神々ですが、発想は同じですから、どちらかの話がヒントになって作られた可能性があります。
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