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古事記・日本書紀のなかの史実 (34)~神生み⑲ 月読神社 

ではツクヨミを祭っている月読神社をみてみましょう。

月読神社といえば、京都の神社が有名です。

”京都府京都市西京区松室山添町にある神社。式内社(名神大社)で、現在は松尾大社摂社。
「松尾七社」の一社。祭神は月読尊

『日本書紀』顕宗天皇3年2月条における月読神社の創建伝承では、高皇産霊(タカミムスビ)を祖とする「月神」は壱岐県主(いきのあがたぬし)に奉斎されたとある。また『先代旧事本紀』では、「天月神命」の神名で壱岐県主祖と見える。これらから、当社祭神の神格は海人の壱岐氏(いきうじ)によって祀られた月神(海の干満を司る神)と推定される。また別の神格として、壱岐氏が卜部を輩出したことから亀卜の神とする説もある。

顕宗天皇3年の記事は壱岐氏の伝承と考えられており、本拠地の壱岐島にある月読神社からの勧請(分祠)を伝えるものとされる。山城への勧請には、中央政権と朝鮮半島との関係において対馬・壱岐の重要視が背景にあるとされる。壱岐・対馬の氏族が卜部として中央の祭祀に携わるようになった時期を併せ考えると、月読神社の実際の創建は6世紀中頃から後半と推測されている。”
(Wikipedia「月読神社(京都市)」より)


月読神社・京都


顕宗天皇3年記事とは、
”顕宗(けんぞう)天皇三年春二月一日、阿閉臣事主(あへのおみことしろ)が、命をうけ任那に使いした。このとき月の神が人に憑いて、「わが祖タカムスヒノミコトは、天地をお造りになった功がある。田地をわが月の神に奉れ。求めのままに献上すれば、慶福が得られるだろう」といわれた。事代(ことしろ)は京に帰って、詳しく申し上げた。山城国葛野郡の歌荒樔(ウタアラス)田を奉られた。壱岐の県主の先祖の、押見宿禰(おしみのすくね)がそこにお祀りして仕えた。”
(全現代語訳「日本書記」(宇治谷孟)より)

というものです。元々壱岐に祭られていたツクヨミを、京都の地に分祠した経緯とされてます。
では壱岐の月読神社をみてみましょう。

”長崎県壱岐市芦辺町国分東触に鎮座する神社である。橘三喜により延喜式内社(名神大社)と査定したとされる。月夜見命、月弓命、月読命の3柱を祀るがいずれも同神である。古くは「山の神」と称されていた。”(Wikipedia「月読神社「壱岐市」より)

三喜の査定には疑問も持たれているようですが、少なくとも月読を祭る神社が壱岐にあったことは間違いありません。

月読神社・壱岐
そして、日本書紀顕宗天皇3年記事では、引き続いて、
”夏四月五日、日の神が人に憑かれて、阿閉臣事主(あへのおみことことしろ)にいわれ、「倭の磐余(いわれ)の田を、わが祖タカムスヒノミコトに奉れ」と。事代は奏上し、神の求められるままに、田十四町を奉った。対馬の下県直(しもあがたのあたい)が、これをお祠しお仕えした。”

とあり、対馬のアマテル神を大和の磐余に祭った記載があることは、前に触れました。

以上のとおり、
壱岐のツクヨミ ⇒ 京都の月読神社
対馬のアマテル ⇒ 大和の磐余

と対比をなしています。

そして祭祀が
北部九州⇒畿内
と移動していることは明らかですね。


↓ 新著です。よろしくお願い申し上げます!!




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プロフィール

青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。



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