古事記・日本書紀のなかの史実 (81) ~オオクニヌシの子孫
次にオオクニヌシが、ヤシマムチの娘のトリミミを娶して生んだ子がトリナルミです。以下、トリナルミからの系譜が続きます。下図のとおりです(字が小さくなるので、横置きにしてます。)。

ハヤミカノタケサハヤヂヌ、アメノミカヌシ、ミカヌシヒコは、いずれも甕に関係ある神でしょうか。ここで、ミカヌシヒコの妻ヒナラシヒメの父神は、オカミです。オカミは、龗の神、水を掌る神の意です。
”日本神話では、神産みにおいてイザナギがカグツチを斬り殺した際に生まれたとしている。
『古事記』及び『日本書紀』の一書では、剣の柄に溜った血から闇御津羽(クラミツハ)神とともに闇龗(クラオカミ)神が生まれ、『日本書紀』の一書ではカグツチを斬って生じた三柱の神のうちの一柱が高龗(タカオカミ)神であるとしている。
高龗神は貴船神社(京都市)の祭神である。
系譜
『古事記』においては、淤加美(オカミ)神の娘に日河比売(ヒカハヒメ)がおり、スサノオの孫の布波能母遅久奴須奴(フハノモヂクヌスヌ)神とヒカハヒメとの間に深淵之水夜礼花(フカフチノミヅヤレハナ)神が生まれ、この神の3世孫が大国主神であるとしている。
龗(おかみ)は龍の古語であり、龍は水や雨を司る神として信仰されていた。”
(Wikipedia「淤加美神」より)
以上のとおり、オカミはこれまでに二度登場してます。二度目の系譜は下のとおりです。

この系譜では、オカミはオオクニヌシより5代前の神です。一方、冒頭挙げた系譜では、3代ほどあとの神になります。これをどのように解釈すればいいのでしょうか?
ひとつは、別の神である可能性、もうひとつは同じ神であるが系譜の接合や改ざんにより、混雑した可能性が考えられます。
ただし、混雑といっても、もともとオオクニヌシより前の代の神が、後の代の神と混雑するのも考えにくいですね。
オカミは、水や雨を司る神ですから、同様の神が各地方にいたでしょうし、代々伝承されたことでしょう。そのような神々が、オカミとして古事記などに伝えられた可能性が高いでしょうね。
同様のことは、トホツヤマサキの母方の祖父、アメノサギリにも言えます。
アメノサギリは、イザナギ・イザナミの神生み段において、オオヤマツミとノヅチとが共に山・野に因って持ち別けて誕生した八神(天之狭土神・国之狭土神・天之狭霧神・国之狭霧神・天之闇戸神・国之闇戸神・大戸或子神・大戸或女神)の第三の神です。
霧を掌るという神ですから、同様の神が各地に伝わっていたことでしょう。それらが取り込まれた可能性が高いですね。
さて、古事記ではこの最後に、
”ヤシマジヌからトホツヤマタラシまでで、十七世の神と称す”
とあります。
実は、数えてみるとわかるのですが、
ヤシマジヌミ~オオクニヌシ・・6世
トリナルミ(オオクニヌシの次世)~トホツヤマタラシ・・9世
です。
つまり6+9=15
で、17世には2世足りないことになります。
タキリヒメとの子アジスキタカヒコネとカムヤタテヒメとの子コトシロヌシをそれぞれ1世としたのかもしれませんね(「古事記 祝詞」(倉野憲司他校注)P107より)。
最後まで読んでくださり最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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ハヤミカノタケサハヤヂヌ、アメノミカヌシ、ミカヌシヒコは、いずれも甕に関係ある神でしょうか。ここで、ミカヌシヒコの妻ヒナラシヒメの父神は、オカミです。オカミは、龗の神、水を掌る神の意です。
”日本神話では、神産みにおいてイザナギがカグツチを斬り殺した際に生まれたとしている。
『古事記』及び『日本書紀』の一書では、剣の柄に溜った血から闇御津羽(クラミツハ)神とともに闇龗(クラオカミ)神が生まれ、『日本書紀』の一書ではカグツチを斬って生じた三柱の神のうちの一柱が高龗(タカオカミ)神であるとしている。
高龗神は貴船神社(京都市)の祭神である。
系譜
『古事記』においては、淤加美(オカミ)神の娘に日河比売(ヒカハヒメ)がおり、スサノオの孫の布波能母遅久奴須奴(フハノモヂクヌスヌ)神とヒカハヒメとの間に深淵之水夜礼花(フカフチノミヅヤレハナ)神が生まれ、この神の3世孫が大国主神であるとしている。
龗(おかみ)は龍の古語であり、龍は水や雨を司る神として信仰されていた。”
(Wikipedia「淤加美神」より)
以上のとおり、オカミはこれまでに二度登場してます。二度目の系譜は下のとおりです。

この系譜では、オカミはオオクニヌシより5代前の神です。一方、冒頭挙げた系譜では、3代ほどあとの神になります。これをどのように解釈すればいいのでしょうか?
ひとつは、別の神である可能性、もうひとつは同じ神であるが系譜の接合や改ざんにより、混雑した可能性が考えられます。
ただし、混雑といっても、もともとオオクニヌシより前の代の神が、後の代の神と混雑するのも考えにくいですね。
オカミは、水や雨を司る神ですから、同様の神が各地方にいたでしょうし、代々伝承されたことでしょう。そのような神々が、オカミとして古事記などに伝えられた可能性が高いでしょうね。
同様のことは、トホツヤマサキの母方の祖父、アメノサギリにも言えます。
アメノサギリは、イザナギ・イザナミの神生み段において、オオヤマツミとノヅチとが共に山・野に因って持ち別けて誕生した八神(天之狭土神・国之狭土神・天之狭霧神・国之狭霧神・天之闇戸神・国之闇戸神・大戸或子神・大戸或女神)の第三の神です。
霧を掌るという神ですから、同様の神が各地に伝わっていたことでしょう。それらが取り込まれた可能性が高いですね。
さて、古事記ではこの最後に、
”ヤシマジヌからトホツヤマタラシまでで、十七世の神と称す”
とあります。
実は、数えてみるとわかるのですが、
ヤシマジヌミ~オオクニヌシ・・6世
トリナルミ(オオクニヌシの次世)~トホツヤマタラシ・・9世
です。
つまり6+9=15
で、17世には2世足りないことになります。
タキリヒメとの子アジスキタカヒコネとカムヤタテヒメとの子コトシロヌシをそれぞれ1世としたのかもしれませんね(「古事記 祝詞」(倉野憲司他校注)P107より)。
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