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古事記・日本書紀のなかの史実 (85) ~ 大年神の系譜

前回まで、オオクニヌシの国造りの話でした。

古事記では、ここから突然大年(オオトシ)神の系譜になります。
オオトシは、スサノオカムオホイチヒメとの間に生まれた子で、「来訪神」「穀物神」「祖霊」ともいわれます。その系譜が、ここから長々と続きます。

大年神系譜
 なぜここにこれだけの系譜が記載されているのか、はっきりしません。また神名の由来も、よくわからないものが多いですね。

”大年神の子孫の神々は、その系譜の成立事情や『古事記』中の位置付けが問題になり、それと関連づけて論じられる。
本文中、大年(オオトシ)神の系譜が、一連となるはずの須佐之男(スサノオ)命の系譜から分断された位置に記されていることについて、不自然さが指摘されており、これを古くからの伝承でなく新しく作られて編纂者の意図を反映したものとする説や、『古事記』成立以後に、特定の集団の関与により附加されていったものとする説がある。
また反対に、系譜と前の物語との接合関係や古事記全体からの関わりを検討し、この系譜の位置に『古事記』全体の構成上の必然性を認める説もある。
この系譜の神々は、大年神が農耕神であることから、農耕や土地にまつわる神を主としたものと捉えられる。”(国学院大学「古典文化学」事業HP 神名データベースより)

順番にみてきましょう。
まずはじめに、イノヒメとの間に生まれたオオクニミタマ・カラ・ソフリ・シラヒ・ヒジリの五神   です。

”大年神と伊怒比売(イノヒメ)との間に生まれた兄弟五神については、神名から、渡来系の神かといわれ、あるいは、渡来系氏族の秦氏らによって奉斎された神とも論じられている。また、各神の順序や性格の関連から、この神名の列記が、農耕、稲作文化の日本への伝来を語ったものではないかとする説もある。”(同上)

諸説ありますが、いずれもすっきりしませんね。この五神について、古田武彦氏が興味深い論説をしているので、みてきましょう。

”これらの名前には、重大な特徴がある。ひとつひとつ調べてみよう。
まず「大国御魂(オオクニミタマ)神」。この神は、いわば”出雲(大国)の最高神”という性格の名前をもっている点、注目される。その点、「大国主神」に勝るとも、劣らぬ名前だ。

つぎは「韓(カラ)神」。わたしがこの系譜に目を注ぎはじめた糸口、それがこの神だ。当然韓地の神、韓国の神と解するほかはない。だが、『記・紀』中、ほかにこのような神は出現しない。いわば、普通の『記・紀』神話のわくを破った神名だ。ただ、この「韓」は、後にいう韓国(南朝鮮)といった広域ではなく、釜山付近の加羅を中心とする狭域であろう。これは、以下の第三~第五がいずれも「狭域」の三神と見られる点からそう考えられる。”(
「盗まれた神話」(古田武彦)P    より)

大国御魂(オオクニミタマ)神は大国主(オオクニヌシ)と似ていることから、オオクニヌシの別名かという説もあります。しかしながら、大年神の子神でありオオクニヌシの系譜とは別系統であることからみても、別神とみるべきでしょう。

古田氏は、島根県仁摩に大国という地名が残っていることから、出雲はかつて大国といわれたのではないか、と述べています。また鳥取県西伯郡南部町に大国村倭という地名が残っています。以上から、オオクニヌシの支配した出雲・伯耆国一帯が、大国と呼ばれていた可能性があります。その
「大国」の最高神といった雰囲気の神です。

次の韓(カラ)神ですが、朝鮮半島南端の釜山あたりの地域の神としています。魏志倭人伝には、そのあたりには
狗邪韓国(くやかんこく)があったと記載されていますので、関連性がうかがえます。

↓ 新著です。よろしくお願い申し上げます!!




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青松光晴

Author:青松光晴
古代史研究家。理工系出身のビジネスマンとして一般企業に勤務する傍ら、古代史に関する情報を多方面から収集、独自の科学的アプローチにて、古代史の謎を解明中。特技は中国拳法。その他、現在はまっている趣味は、ハーブを栽培して料理をつくることです。
著書です。



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